海の境界線 6
こうしたさまざまな主張の裏側にある根拠を調べていくと、おもしろいことがわかります。
たとえば、中国が島々を占有するにあたって、北京は、そこに気象観測所を設置するという名目をつけました。
また、マレーシアは、その地域を観光化することに大いなる熱意を傾けることで、そのいくつかの島々の占有を、当然のこととしていました。
他方、フィリピンは、もっぱら「環境保護」にやっきになりました。
結局どの国も、この領域の石油が潜在的な役割を果たしていることには、触れようとしなかったのです。
これらの国すべてが満足する方法などあるはずもないのですが、交渉を避けていては問題がこじれる
ばかりであると考えた各国は、非公式に会合をもつようになりました。
そして、スプラットリーだけではなく、他のアジアの群島も考慮に入れることで、問題解決の糸口を見いだそうとしたのです。
しかし、他の群島も同じように問題をかかえていました。
たとえば、スプラットリーの北方にあるパラセル諸島(西沙諸島)をめぐって、中国とベトナムは争い合いました。
中国は、東シナ海にある尖閣諸島をも、日本と台湾がその権利を主張しているにもかかわらず、占有しようとしていました。
これらの地域でも、やはり潜在的な石油の有無が、地震学調査を通して問われていたのです。