科学と心理 3
スケールの拡大、個性の戯画化、歴史的事作に対するわたしたちのイメージをゆがめる神秘的特徴によって、それらから学びうる教訓が強められることが多いものです。
通常科学が過去の「偉人たこを必要とするように、STS教育も伝統的な類型学、尊敬すべき制度、劇的なエピンード、英雄的人物を必要とします。
知識社会学の入門として、ダーウィンの進化論が激しく論難された1860年の英国科学振興協会のオックスフォードにおける会議ほど良いものがあるでしょうか?
・・・正確な学識を持った良心的な教師は、言われていることが、見かけほど黒白がはっきりしてはいないことを良く知っているでしょう。
しかし、これは歴史教育の癒し難い欠点であり、いわば過去に実際に起こったこと以上のものを投影することは決して出来ないものです。
しかし、科学思想理念の発展の満足すべき歴史イメージをつくるための真の困難はとかく過小評価されがちです。
経験を積んだ理科教師とはちがって未熟な生徒にとっては、科学の歴史はわかり易いものではなく、また面白くもありません。
逸話や科学的影響のエピンードの年代記は、詳しく述べると自らの重さで潰れてしまいます。
そもそも、2人がエネルギー保存則を最初に発見したと主張していますが、本当に発見したのはそのうちの誰なのか、といったことに現在誰が関心を持つでしょうか。
レオナルドの書いた解剖図が失われた、あるいはメンデルの論文が無視されたとしてもそれがどうしたというのでしょうか。