科学と心理 5
授業の目的に関してはっきりした考えを持っている熟練した教師は、これらのワナや茂みを避けて、STSの歴史的方法によって大きく進歩します。
しかし科学教育におけるSTS運動の目的は、理科の学生に科学史を教えることによって自動的に達成される訳ではありません。
実の所、科学には、歴史家の傾向に応じて、個人主義的、技術主義的、哲学的、社会学的、理念論的といった、さまざまの異なる「歴史」があります。
科学史に対するこれらの多様な見方の内、適当なものを利用し、どれか一つが正しい見解だ、と考えないようにするのが、STSを教える教師の貴任です。
科学の歴史はそれ自身STS教育への「方法」ではありません。
科学史は一つの方法、あるいは非常に重要なSTSのテーマが拡大され、例示される一種の様式と言うべきものです。
アカデミズム指向型の人にとって、物事の本質は深遠な理論にあります。
例えば化学は原子問の結合の外に現れた表現です。
生物学は遺伝子コードが解読されてはじめて意味を持つようになるのです。
もしわたしたちの扱う主題が科学そのものであれば、それが何であろうとも、その理論に照らして研究するべきです。